卒FIT評判の実態|法人で精査した6つの売電継続判断軸2026

卒FITの評判について、ネット上にはポジティブな情報とネガティブな情報が混在しています。AFP・宅地建物取引士として東京都内で法人を経営している私・Christopherが、実際に自身の法人でシミュレーションを重ねた視点から、売電継続の判断軸を6つに整理して解説します。制度変更を前にした2026年時点の実態を、数字を交えて具体的にお伝えします。

卒FIT評判の全体像:なぜ「損した」「得した」が分かれるのか

評判が二極化する根本的な理由

卒FIT後の評判が「良かった」「悪かった」に割れる背景には、買取先の選択と移行タイミングの差があります。FIT期間中は固定単価(住宅用の初期は42円/kWh〜)で売電できましたが、卒FIT後は電力会社の「余剰買取」単価に移行します。大手電力会社の場合、2024〜2025年度の買取単価は7〜9円/kWh程度が一般的です。これをFIT期間中と単純比較すれば「大幅に下がった」という感想になるのは当然です。

一方で「思ったより悪くない」と感じている方の多くは、相対契約や自家消費への切り替えをうまく活用しています。評判の差は「単価の変化」への向き合い方と、移行後の選択肢を事前に調べていたかどうかに集約されます。

法人オーナーが見落としがちな「見えないコスト」

法人で太陽光発電設備を保有している場合、卒FIT後の売電収入の減少だけでなく、設備の減価償却や修繕引当の扱いが損益計算書に与える影響を考慮する必要があります。法人税法上、太陽光発電設備は17年(定率法の場合は異なる)の耐用年数が設定されており、FIT終了後も減価償却が続いているケースは珍しくありません。

売電単価が下がっても減価償却費が残っていれば、損金算入の恩恵はあります。しかし現金収入の減少と帳簿上の損益は必ずしも一致しません。この点を混同したまま「卒FIT後も節税効果が続く」と期待すると、資金繰りで想定外の事態が起こりえます。最終的な税務判断は税理士への確認が不可欠です。

AFP・法人経営者として自ら精査した実体験

自身の法人でシミュレーションを行った経緯

私が卒FITを本格的に検討し始めたのは、都内の法人で太陽光投資案件を複数比較していた2025年頃のことです。不動産・株式・暗号資産と運用経験を積んできた中で、太陽光は「インフラ型の安定収益」として一定の評価をしていましたが、FIT期間終了後の出口をどう設計するかが判断のカギだと感じていました。

AFP(日本FP協会認定)の立場でキャッシュフロー計算書を作成し、FIT終了後の売電収入を7円/kWh・9円/kWh・12円/kWhの3パターンで試算しました。結果、7円/kWhを前提にするとIRR(内部収益率)が2%台に落ち込み、法人での投資として許容できるラインを下回ることが明らかになりました。一方で相対契約や自家消費転換を組み合わせると、収益性が変わることもわかりました。

顧問税理士との打ち合わせで明らかになった論点

決算前の打ち合わせで顧問税理士に卒FIT後の扱いについて相談した際、真っ先に指摘されたのは「収益認識のタイミング」と「消費税の課税区分の変化」でした。太陽光の売電収入は課税売上に該当するため、消費税法上の扱いが自家消費転換後に変わる可能性があります。自家消費の場合、電力を外部に販売しないため課税売上の金額が変動し、インボイス対応も含めた再整理が必要になります。

法人の消費税申告は顧問料(月額2〜4万円程度が中小法人の相場感)の範囲で対応してもらえるケースが多いですが、制度変更を伴う論点については別途相談料が発生することもあります。私の場合、卒FIT関連の整理だけで2〜3時間の追加打ち合わせになりました。税理士費用を「コスト」と見るより「リスクヘッジへの投資」と考えることが、法人オーナーとして重要な視点だと実感しています。

卒FIT売電単価の実勢比較:買取先で変わる収益差

大手電力会社 vs 新電力の単価差の実態

卒FIT後の売電先として代表的なのは、大手電力会社の余剰買取と新電力会社の相対契約の2択です。大手電力会社の余剰買取単価は各社が公表しており、2024〜2025年度時点では概ね7〜9円/kWhのレンジです。新電力の相対契約単価は事業者によって異なりますが、10〜15円/kWhを提示しているケースも存在します。

単価差が5〜8円/kWhあると、年間発電量3,000kWhの住宅用システムで年間1.5〜2.4万円の差になります。法人で10〜50kW規模のシステムを保有している場合、年間10〜40万円以上の差が生じる計算になります。ただし新電力との相対契約は契約期間・解約条件・事業者の財務健全性のリスクも伴います。単価だけで判断するのではなく、契約の安定性も含めて評価する視点が必要です。

卒FIT相対契約を締結する際の6つの確認軸

卒FIT相対契約を検討する際に私が整理した確認軸は以下の6点です。①買取単価の水準と変動ルール(固定か変動か)、②契約期間と途中解約の違約金条項、③電力量計の費用負担、④インボイス対応(適格請求書発行事業者かどうか)、⑤事業者の信用力(資本金・設立年数・決算公告の有無)、⑥自家消費転換への切り替え自由度の6点です。

特に④のインボイス対応は2023年10月以降の法人にとって見落とせない論点です。買取事業者が適格請求書発行事業者でない場合、仕入税額控除が制限されるリスクがあります。FIT卒業後の売電価格2026|法人で試算した7つの収益判断軸

卒FIT自家消費転換と蓄電池併用の損益試算

自家消費転換で変わるキャッシュフロー構造

卒FIT後に自家消費転換を選ぶ最大のメリットは、電力購入コストの削減です。法人で事務所や工場を保有している場合、電力単価(従量料金)は2024〜2025年時点で25〜35円/kWh程度が一般的です。売電単価の7〜9円/kWhと比較すると、自家消費1kWhあたり15〜25円の「節約効果」が生まれます。

年間発電量10,000kWh・自家消費率70%と仮定すると、電力費削減効果は年間10.5〜17.5万円(7,000kWh×15〜25円)の試算になります。同じ電力を売電した場合の収入(7,000kWh×7〜9円=4.9〜6.3万円)と比較すると、自家消費転換の方が収益性は高くなります。ただし実際の自家消費率は設備規模・稼働時間・業態によって大きく変動するため、個別のシミュレーションが前提です。

蓄電池を追加導入する際の損益分岐点

卒FIT蓄電池の導入は、自家消費率を向上させる手段として広く普及していますが、初期投資の回収期間に注意が必要です。住宅用10kWh蓄電池の導入費用は、2025年時点で設置工事込み80〜130万円程度が一般的な相場感です。法人向けの産業用蓄電池になると、容量・仕様によって大きく幅が出ます。

仮に蓄電池導入で年間電力費が15万円削減できると仮定した場合、100万円の初期投資回収には約6.7年かかります。太陽光発電設備の残余寿命や蓄電池自体の寿命(サイクル数・保証期間)を考慮すると、投資対効果が見合わないケースも出てきます。補助金(国・都道府県・市区町村の各種制度)を活用できる場合は実質コストが下がります。補助金の適用条件は年度ごとに変わるため、申請前に所管窓口への確認を推奨します。FIT太陽光2026年単価|法人で精査した7つの売電収益判断軸

まとめ:卒FIT評判を正しく読むための視点と次のアクション

法人で使える6つの売電継続判断軸チェックリスト

  • ① 現在の想定売電単価と大手・新電力の相対契約単価を比較したか
  • ② 法人税法上の減価償却残年数と現金収支のギャップを確認したか
  • ③ 消費税・インボイス対応(買取事業者の適格請求書発行状況)を確認したか
  • ④ 自家消費転換時の電力費削減シミュレーション(kWh単価×自家消費率)を試算したか
  • ⑤ 蓄電池追加導入の場合、補助金込みの損益分岐年数を算出したか
  • ⑥ 卒FIT後の戦略について顧問税理士・専門家に相談済みか

卒FIT後の戦略は「単価比較」だけで終わらせてはいけない

卒FITの評判が割れる理由は、最終的には「移行後の戦略を設計したかどうか」に尽きます。売電単価の下落を「損した」と捉えるだけでは判断が止まってしまいますが、相対契約・自家消費・蓄電池の3つの選択肢を軸に収益構造を組み直す視点を持てば、FIT終了後も投資として成立させられるケースは十分あります。

私自身、AFP・宅建士として複数の投資商品を比較してきた経験から言うと、卒FIT後の意思決定で後悔する方の共通点は「制度が終わってから初めて考える」という後手の姿勢です。FIT満了の1〜2年前には選択肢を洗い出し、税理士・ファイナンシャルプランナーと連携して収支計画を更新するサイクルを作ることをお勧めします。税務上の具体的な判断や申告については、必ず税理士または所轄税務署へ確認してください。個別の事情により最適な選択肢は異なります。

卒FIT後の選択肢について、より詳しい情報を確認したい方は以下のリンクから詳細をご覧ください。

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筆者:Christopher(クリストファー)/AFP(日本FP協会認定)・宅地建物取引士。東京都内で法人を経営し、太陽光投資・節税スキームを自身の法人で実検討。不動産・株式・暗号資産・海外資産の運用経験を持ち、FP視点でのキャッシュフロー設計を得意とする。大手生命保険会社2年、総合保険代理店3年を経て、個人事業主・富裕層・経営者の保険×税務相談を多数担当。現在は都内法人を経営・インバウンド民泊事業を運営中。記事内の税務判断はあくまで情報提供目的であり、個別の税務相談は必ず税理士または所轄税務署へご確認ください。

【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。

【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆

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